公開当初劇場2館から始まったにもかかわらずSNSで評判が広がり、制作費300万円と少額にも関わらず興行収入30億円を突破した人気コメディ映画『カメラを止めるな!』の監督”上田慎一郎”の最新作『スペシャルアクターズ』の感想(ネタバレ)です。
作品データ
公開日:2019年10月18日
製作国:日本
配給:松竹
上映時間:109分
主演:大澤数人
監督:上田慎一郎
公式サイト:http://special-actors.jp/
おすすめ度
★★★★★★★★★☆(9/10)
またまた騙されます。
では詳しく見ていきましょう。
あらすじ
超能力ヒーローが活躍する大好きな映画を観てため息をつく売れない役者の和人。ある日、和人は数年ぶりに再会した弟から俳優事務所「スペシャルアクターズ」に誘われる。そこでは映画やドラマの仕事の他に、依頼者から受けた相談や悩み事などを役者によって解決する、つまり演じることを使った何でも屋も引き受けていた。そんなスペアクに、”カルト集団から旅館を守って欲しい”という依頼が入る。ヤバ目な連中相手に計画を練り、演技練習を重ねるスペアクの役者たち。しかし、和人にはみんなに内緒にしている秘密があった。極限まで緊張すると気絶してしまうのだ。あろうことか、このミッションの中心メンバーにされた和人。果たして、和人の運命やいかに!?
公式サイトより
感想(ネタバレ)
面白い作品とはキャストで決まるものではない!
本作だけでなく上田慎一郎監督の前作である『カメラを止めるな!』でもそうでしたが今回改めて「面白い作品は監督が自身の作りたい作品にあったキャストを選ぶ事が大事」ということについて証明されたんじゃないかと思い知らされました。
特に日本のテレビ・映画業界には顕著に見られるいわゆる「事務所のゴリ押し」。
大した実力もないのに制作側は大手事務所に頭が上がらないために事務所ゴリ押しの人物をキャスティングして結局大した作品にならないことが多々あります。
それとは逆に大手事務所と関係が悪くなった為に実力、人気があったとしても業界から「干される」ということもよく見られます。
そんな大手事務所によって支配されている業界に一石を投じたのが本作の監督の上田慎一郎です。
前作の『カメラを止めるな!』は別として本作では『カメラを止めるな!』の成功もあり様々な大手事務所などからのその事務所の俳優を起用するようにという依頼もあったでしょうがそういったものは気にせず1500人もの集まったオーディションから自ら15人に絞り込み完成させた本作は本当におもしろい作品となっていました。
また2016年にクラウドファンディングによって資金調達して作られた片渕須直監督のアニメーション映画『この世界の片隅に』でも芸能界から「干された」女優である旧能年玲奈の「のん」を主人公で起用して日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞するに至りました。
このように上田監督、片渕監督は本当に面白い作品をこれからも追い求めてほしいですし、他の監督もN国党ではないですが「既得権益をぶっ壊す!」という勢いで大手事務所に屈せず面白いと思う作品を作っていってほしいと思いました。
また騙されます
さてこれからは少々内容について触れますが結論から言うと騙されます。
過度なネタバレは控えますが『カメラを止めるな!』同様に本作は前半正直あまり面白くありません。
途中で帰ってやろうかと思うこともありました。
しかし『カメラを止めるな!』止めるな同様に後半に来る面白さで特に一番最後は『カメ止め』にはなかったような感動するものになっています。
前半耐えていて良かったとエンディングが始まった時にしっかりと思える作品なのでまだ見ていない方で見る予定がある方が我慢していただきたいです。
まさに「スペシャルアクターズ」でした。
そしてエンディングまで見終わったらおそらく『カメ止め』同様に2回目、3回目も見て、答え合わせしたくなると思います。
私もまだ一度しか見ていないのですがまた見に行きたいという気持ちでいっぱいです。
これ以上語るとネタバレ厳禁な本作の面白さをなくしてしまうため今回は以上です。
キャスト
大野和人/大澤数人
大野宏樹/河野宏紀
富士松卓也/富士たくや
富士松鮎/北浦愛
田上陽介/上田耀介
清水八枝子/清瀬やえこ
丹後真由/仁後亜由美
鬼塚/宮島三郎
大和田多磨瑠/淡梨
大和田克樹/三月達也
七海/櫻井麻七
麻奈/南久松真奈
山本/山下一世
津川里奈/津上理奈/
津川祐未/小川未祐
廣瀬/広瀬圭祐
原田拓己/原野拓巳
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