人気映画シリーズ『ワイルド・スピード』の新作スピンオフ作品『ワイルド・スピード スーパーコンボ』のレビューです。
過去のワイスピシリーズを見直したいという方はこちらをご覧ください。
作品データ
公開日:2019年8月2日
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
上映時間:136分
主演:ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム
監督:デビット・リンチ
公式サイト:https://wildspeed-official.jp/
おすすめ度
★★★★★★★★☆☆(8/10)
シリーズを見ていない方でも楽しめる作品に仕上がっています。
では詳しく見ていきましょう。
あらすじ
ロサンゼルスで娘と暮らす、ワイルドなスタイルで超重量級のクルマを操る追跡のプロ・元FBI特別捜査官ルーク・ホブスと、ロンドンで優雅な生活を送る、クールなスタイルで超高級なクルマを駆る規格外の元MI6エージェント・デッカード・ショウ。2人の元に、行方をくらませたMI6の女性エージェント・ハッティを保護して欲しいという政府の協力要請が入る。ハッティは全人類の半分を滅ぼす新型ウイルス兵器をテロ組織から奪還したが、組織を率いる、肉体改造を施された超人的な戦士・ブリクストンに急撃され、ウイルスと共に消息を絶った。しかも、彼女はショウの妹でもあるという。
公式サイトより
ホブスとショウは「こんな奴と誰が組むか!」と協力を拒否するが、ウイルスの回収を最優先するため、仕方なく手を組む事に…世界の命運はこの2人に託された!
感想(ネタバレ)
ワイスピではない
先に断っておきますが本作のタイトルは『ワイルド・スピード スーパーコンボ』(原題『Fast & Furious: Hobbs & Shaw』)となっておりワイスピシリーズのスピンオフ作品という位置づけですが本作はタイトルだけはワイスピですが内容はワイスピほどワイスピではありません。
恐らく本作に関してはワイスピファンの方からは否定的な意見も目立つと思いますが私自身は本作はこれはこれで良い作品だったと思います。
確かに本作はメインストーリに登場するキャラクターがあまり登場しなかったり、これまでのシリーズほど車を使ったアクションが少なくカー・アクションの作品というよりスパイ・アクションやヒーロ・アクションといった部類の作品となっていることは事実です。
しかしこうした事によってシリーズを知らない人や車に詳しくない人でも楽しめる大衆向けのエンターテイメント作品になったと思います。
本作は”ドウェイン・ジョンソン”演じるルーク・ボブスと”ジェイソン・ステイサム”演じるデッカード・ショウというメインストーリーに登場するのが遅かったキャラクターを主演にすることによってこれまでのシリーズをあまり知らない人でも楽しめるような作品になっていたり、カー・アクションを控えて格闘シーンや拳銃を使ったシーンなどを増やすことによって車に詳しくない人や好きでない人でも楽しめる作品となっているでしょう。
私自身後者に当てはまり、これまでワイスピシリーズの作品は全作見てきたんですが車種などは全然知りませんでしたし、主役級の人物が乗っていた愛車に関してもあまりかっこいいと思える車はありませんでした。
しかし本作でメインで登場するのはデッカード・ショウが乗っていたランボルギーニの車のようなスリムなボディの車(車に詳しくないので車種がわかりません、すみません)で車に詳しくない人間でもかっこいいと思えるものでした。
その他にもこれまでのシリーズ以上にユーモアあるシーンが多く笑えるシーンが多くなっていることも間違いありません。
こんなふうに本作ではこれまでのワイスピシリーズとは違った形の作品となっており、より一般的な作品となっておりそういった部分に好感が持てました。
さすがにメインストーリーで本作のような展開だったら私でもどうかと思いますが本作はあくまでもワイスピシリーズのスピンオフ作品という形で新規の客を集めるためだったりという目的ではこれはこれで良かったと思います。
家族を大事にすという共通項
これまでのワイスピシリーズでは”ヴィン・ディーゼル”演じるドムを中心とした仲間たちを「ファミリー」と呼び家族同然の仲間意識を持ち大切にしてきました。
しかし本作では血の繋がりによる本当の家族というものがストーリーにおける重要な役割を果たしておりメインストーリーに共通した部分ですが新鮮味の感じられる展開でした。
本作では主役のルーク・ボブスとデッカード・ショウのリアルな家族が重要な役割を果たします。
デッカード・ショウに関してはこれまで弟や母親が登場していましており家族思いな一面を見せていましたが、本作では”ヴァネッサ・カービー”演じるデッカードを避けている妹のハッティ・ショウが本作のメインキャラクターとして新たに登場し行動をともにします。
またルーク・ボブスに関しては前作で娘が登場しましたが両親や兄弟姉妹に関しては登場しておりませんでした。
そんな中、本作では彼の母親や兄が新たに登場し、彼が家族を捨てて出ていったことなど彼の過去が明らかになります。
こうしたように本作では登場人物たちの血縁関係を持つリアルな家族が登場し、仲直りし、彼らと協力し、敵を倒すという王道なストーリー展開で楽しむことが出来ました。
これまでの仲間を家族同然に大切するというものも良かったですが、本作の血縁関係を持つ家族がいることによって帰れるホームがあることの大切さ、ありがたさみたいなものを感じました。
似ていないようで似ている二人のストーリー
本作の主人公のルーク・ボブスとデッカード・ショウはスキンヘッドで厳ついというところ以外全く似ていないように思えます。
ボブスはゴリゴリのマッチョで脳みそまで筋肉でできていそうで服装はラフな感じ、他方ショウはインテリヤクザみたいに頭を使って行動し、服装はスーツでしっかり決めている。
しかしこんなのは見た目の話で実際の彼らは共通点はたくさんあり、本作では彼らが実は似たもの同士だということをいろんなところで教えてくれます。
お互い見た目通りな行動を取るシーンもありますがボブスは色んなシーンで頭を使って行動しますし、ショウは見境なく敵をボコボコに殴り倒し、二人の見た目とは逆な行動をとったり、お互い意地っ張りで自分の方が上だと言わんばかりにマウントを取り合います。
また本作の一番初めにボブスとショウの日常生活を対比する場面が出てきて一見全く違った生活をしているように見えて実は似たことをしているシーンは笑えました。
似ていないようで実は似ているこの二人の主人公の行動は見ていておもしろいものでした。
来年にはワイスピのメインストーリーの新作が公開される予定なので彼ら二人がまた活躍する姿をスクリーンでみたいですね。
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