東京新聞記者の望月衣塑子のベストセラー『新聞記者』を原案として韓国の女優、シム・ウンギョンと松坂桃李がダブル主演を演じた映画『新聞記者』。
その『新聞記者』のレビューです。
作品データ
公開日:6月28日
製作国:日本
配給:スターサンズ、イオンエンターテインメント
上映時間:113分
主演:シム・ウンギョン、松坂桃李
監督:藤井道人
公式サイト:http://shimbunkisha.jp/
おすすめ度
★★★★★★★☆☆☆(7/10)
情報操作って怖いですね。
では詳しく見ていきましょう。
あらすじ
東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。
公式サイトより
一方、内閣情報調査室官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。
「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。
真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。
二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる!
現在進行形のさまざまな問題をダイレクトに射抜く、これまでの日本映画にない新たな社会派エンタテインメント!あなたは、この映画を、信じられるか──?
感想(ネタバレ)
マスメディアとは
本作を観ていて一番に思ったのが「普段俺たちが見ているニュースって何なんだろうな」って言うことです。
本作によると内閣情報調査室の官僚たちが与党の政治家が起こした失態をもみ消したり、政治家を守るために一般人を悪者にするような誤情報を発信したり、大手マスコミに圧力をかけて政治家に対する悪い記事を書かせないようにしているそうなんですね。
本作で描かれている内閣情報調査室のやっていることが全て事実ならば日本って相当やばい国なんだろうな思いましたね。
国を安定させるためにある程度の政治家の失態のためにある程度の情報もみ消しも必要だとは思うんですが政治家を守るために一般人を悪者にしてまで情報を操作するまでいったらそれは完全にやりすぎですよね。
しかもやり方がなかなか汚い。
内閣情報調査室の職員が一人で何個もSNSのアカウントを利用して多数派工作を行って同調圧力みたいなものを生み自分たちにとって都合の悪い人間の意見を潰そうとするというもの。
ここまでするのはかなりタチが悪いなっていうふうに思いましたし、日本海を渡ってすぐ広がる大国のネット検閲による情報規制より悪いものだと思います。
ネット検閲による情報規制ではNGワードなんかがネットに流れたらすぐに削除されるというものに過ぎませんが、情報操作によって国にとって都合が良いように事実が捻じ曲げられその情報を発信した人が変人扱いや嘘つき扱いされたすることによって社会的な死に追い込み、下手したら本当に死人を出してしまうかもしれません。(まあ行き過ぎた発言をする人はネット検閲によって発見され発言した人が行方不明になるということも噂も聞いたこともありますが)
発言の自由があると言われている日本ですが事実を語っても政治家の都合によって事実を捻じ曲げられるのならばそんなもの無いほうが良いとすら思います。
そして内閣情報調査室が本作で語られているようなことをやっているようでしたら現在我々が見ているニュースが本当のものかも疑わしく思えてきますし、マスメディアってなんのためにあるんだろうなって思わされました。
政府悪く書かれすぎじゃね?

本作ででは実際に第二次安倍内閣で問題になり原案者である望月衣塑子が関わった問題を元にストーリーが作られているですがあまりにも政府が悪く書かれすぎています。
単なるエンターテイメントとして現政権をバカにするような作品だったらなんとも思わないんですが社会問題を発信し何かを変えたいというメッセージ性のある作品だったのでかなりその点が気になりました。
本作では明らかに加計学園問題と安倍晋三と仲がよいというジャーナリスト山口敬之のレイプ疑惑の問題に似せたストーリーが描かれています。
山口敬之の問題は当事者同士しか真実は分からないためなんとも言えませんが加計学園問題をもとに作られた物語は明らかに加計学園問題に対する印象を悪くするものでした。
加計学園問題は安倍晋三の古くからの友人である加計孝太郎が経営する大学に新学部を設立するために安倍晋三が職権を乱用し便宜を図っていた可能性が高いというものでこれが事実なら大問題です。
しかし本作ではこの問題にさらに悪い印象を持たせるようなストーリーとなっており大学設立は生物兵器の研究のためというふうになっていました。
フェイクニュースを流す内閣を問題にした製作に勇気のいる作品でそういった面では褒められる作品でしたが結局本作も実際の内閣がやっていることよりも悪く表現しておりやっていることはどっちも同じなんだなって言う印象を持ちました。
本作を鑑賞して思ったのはやはりメディアのすべてを信じるのでは無く一つの意見として受け取るべきなんだろうなって思いましたね。
しかしまあ政治についていろいろ考えさせられる作品であったことは間違いありませんでした。
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