全世界で映画界を大いに盛り上げた作品『アベンジャーズ/エンドゲーム』の正統な続編にして、MCUシリーズ23作目、そしてフェイズ3最後の作品。
MCUスパイダーマン1作目『スパイダーマン ホームカミング』に続くMCU2作目『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』のレビューです。
作品データ
公開日:6月28日
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンターテイメント
上映時間:135分
主演:トム・ホランド
監督:ジョン・ワッツ
公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/
おすすめ度
★★★★★★★★☆☆(8/10)
鉄の意志は引き継がれた!
では詳しくみていきましょう。
あらすじ
師であるアイアンマンことトニー・スタークから託された、ヒーローとしての責任。ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、悲しみを忘れ去る為、街の平和に努めていた。そしてようやく訪れた夏休み。ピーターは、大好きなMJ(ゼンデイヤ)、親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)達と共に楽しみにしていたヨーロッパ旅行に出かける。
この旅でMJに自分の気持ちを打ち明け、最高の夏休みにしたいと願うピーターを待っていたもの、それは元S.H.I.E.L.D長官のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)だった。迫りくる新たなる脅威を察したニックは、異次元から来たというミステリオ(ジェイク・ギレンホール)と共に既に戦う準備を始めていた。そこにスパイダーマンの力も必要としていたのだ。 楽しみにしていたヨーロッパ旅行に出かける。
突如としてヴェネチアに出現した巨大な人型の“水”。 その圧倒的なパワーに翻弄されるピーターは「ソーは? キャプテン・マーベルは?」とアベンジャーズのヒーローたちに助けを求めるも、彼らは不在。この巨大な敵を相手にまだ戦い方すら掴めないスパイダーマンに替わり、果敢に戦いを挑むミステリオ。空中で両手から強力な光線を放ち、敵を制する。ここに新ヒーローが誕生した。
ヴェネチア以外でも、“火”や“土”の巨大な敵が現れ、ニックを中心とした攻防戦が続く中、ピーターは決意する、「世界には新しいアイアンマンが必要だ」。トニーから引き継いだ“鉄の意志”。
公式サイトより
親愛なる隣人から、真のヒーローへ。厳しい戦いに立ち向かい、挑み、闘うスパイダーマン。
新しいアイアンマンとなる為に—。
感想(ネタバレ)
夏は恋の季節
本作でも他のMCU作品やこれまでの初代の『スパイダーマン』シリーズや『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのように恋愛要素が組み込まれた作品となりました。
しかも本作では主人公のスパイダーマン(ピーター・パーカー)の恋だけでなく他の登場人物たちの恋も描かれ、今回は3つのカップルが作中で描かれました。
一つはもちろん主人公ピーター・パーカーとMJ。
そしてあと2つはなんとピーターの親友であり、その穏やかな性格や見た目の可愛さから高い人気を誇るキャラクターであるネッドの恋。そして最も以外なMCUシリーズの一番はじめから登場する古株キャラクターであるハッピーの恋です。
ネッドはファンからはかなり人気がありますが作中ではモテるキャラクターではありません。
なので旅行前からピーターと一緒に旅行中にヨーロッパの女の子をナンパして楽しむという計画を企てます。(ピーターはMJと一緒になりたいためあまり乗り気ではありませんでしたが)
しかしヨーロッパに行くまでの飛行機内でたまたま横に座った前作から登場するベティと意気投合し早速付き合うことに。
ベティは好きな人にグイグイ行くタイプなので作中を通してネッドがラブラブしているシーンをたくさん見せられました。
そしてもう一つの恋の主役であるハッピーはなんとピーターの親戚であるメイおばさんに恋をします。
MCUシリーズ十数年の歴史で恋を微塵も匂わせなかったハッピーが恋を。
相手であるメイおばさんはこれまでの2つの『スパイダーマン』シリーズではおばあちゃんの設定でしたが今回の『MCUスパイダーマン』シリーズではまだ30代くらいの若い設定です。
本作前半からハッピーはピーターの元を訪れメイおばさんと楽しげに話したり、ピーターが旅行に行ってからもメイおばさんの職場を訪れるなどアプローチを仕掛け、メイおばさんも満更でもなさそうな態度を取ります。
これまで恋を匂わせなかったネッドやハッピー達が恋をしているシーンがみれたのは嬉しかったですし、彼らの恋によって生まれた面白いシーンなんかもたくさんあったので良かったです。
そしてやっぱり一番の気になる恋は主人公であるピーターとヒロインであるMJのカップルですよね。
『ホームカミング』ではリズという女の子に恋をして、いい感じになっていたピーターでしたが前作の最後にリズが転校してしまったためピーターの恋は終わってしまっていました。
しかし本作でピーターは新たにMJに恋をしているということを予告編でも言及していましたし作中序盤でも言及し新たな恋を始めました。
MJといえば初代『スパイダーマン』シリーズでもヒロインとしても登場し、『MCUスパイダーマン』シリーズでも前作『ホームカミング』からピーターと同じクラスで登場したが性格は暗めでピーターによく皮肉を言ったり悪い態度をとるという不思議な女の子でした。
そんな彼女にピーターは恋をしましたが普段はよく喋り、世界を救う超絶パワーを持つ彼もまだまだ高校生。
MJに話しかけようとしても恥ずかしくて話しかけることができず恋のライバルが登場すると普通の高校生みたいに嫉妬したり普段のスパイダーマンからは想像できないような感じでした。
頭がよくイケメンで話すのも上手く、更にはスーパーパワーを持つ男の憧れのような人間であるピーターも恋に関してはウブで普通の高校生で少し安心しましたし、完璧すぎない彼を知り、彼の恋を応援したくなりました。
こんなふうに本作では3つの恋が生まれますがそれぞれ違った形で進み結末も違うのでどのカップルのストーリーも観ていて面白かったです。
ピーターに新たに師匠が?!
MCUシリーズの『シビルウォー/キャプテンアメリカ』でMCU初登場したスパイダーマン/ピーター・パーカーですが登場初期からはアイアンマン/トニー・スタークを父のように慕い、師匠のように思っていました。
しかし4月に上映された『アベンジャーズ/エンドゲーム』でトニー・スタークは亡くなってしまいます。
師匠をなくした、ピーターは悲しみに暮れてながらも”親愛なる隣人”としてニューヨークの街をこれまで同様守り続けています。
全世界はスーパーヒーローとして世界を守り続けていたアイアンマンを亡くしたことに悲しみに暮れながらもネクストアイアンマンとしてスパイダーマンに大きな期待をもちます。
さらにトニーの遺品である人工知能イーディス搭載のサングラスをトニーの意思を継ぐものとして期待され渡されます。
しかしまだまだ高校生という若さや大きすぎる世界からの期待で相当なプレッシャーを感じ自信を持てない状態が続きます。
そんな中旅行先のヨーロッパでピーターの前に現れた水のバケモノを簡単に倒してしまったミステリオに出会います。
ニック・フューリーの仲介もありミステリオと知り合います。
ミステリオはピーターたちが暮らす世界とは違った次元からやってきたヒーローであり、ピーターたちの世界を守るために今後現れる敵と一緒に戦って欲しいと頼みます。
旅行を楽しみたいし、友人を巻き込みたくないと考えるピーターはミステリオの頼みを断りますがニック・フューリーの計らいもあり渋々ミステリオを手伝うことになります。
ミステリオとともに敵を倒していくうちに彼とも打ち解けあい、自身のヒーローとしての悩みを聞いてもらったり、ヒーローとしての心構えやヒーロー活動が全てではないというアドバイスなんかももらうようになります。
アイアンマンの死で師匠を失ったピーターでしたがミステリオのヒーローとして実力や心構えを目の当たりにし徐々に彼を師のように思っていくようになります。
そしてミステリオのヒーローとして器などに感銘を受け、トニーの後継者としてふさわしいのは自分ではなくミステリオだと思いトニーが意思を継ぐものに残したサングラスをミステリオに託します。
ミステリオはやはりミステリオだったか
ピーターからトニーの残したサングラスを受け取ったミステリオはいよいよ本性を表し始めます。
なんとミステリオは自身がスーパーヒーローとして有名になるためにそれまでの戦いは全て自作自演でサングラスを手に入れたことによってさらに大規模で死人も出るようなやらせ演出を実行しようとします。
ミステリオの自作自演に気がついたピーターはミステリオを止めにいきます。
実はというより知っている方も多いと思いますが原作ではミステリオはヴィランとして登場する敵であり、本作も上映前からミステリオはヴィランとして本作でも登場するのでは無いかと予想されていましたがやはりミステリオはミステリオでヴィランとして登場しましたね。
私自身多くの人の予想を裏切ってミステリオはヒーローとして今後も関わって欲しいなって思っていたんですが作品を観ていて前半出てくる敵があっけなくやられたり、ストーリーの進みが早いなって感じて途中からミステリオ裏切るなって思ったら案の定裏切ってくれましたね。
しかしながらミステリオが裏切ってからが作品をもっと面白くしてくれました。
正直ミステリオと一緒に敵と戦っていた前半のバトルシーンは物足りなく退屈なものでしたがミステリオが敵となってからのバトルシーンの迫力も上がりましたし、CGなんかを観てもアニメのようなCGが使われていて観ていて楽しかったです。
さらにピーターがミステリオを倒すために新たなスーツを作るシーンはトニー・スタークがアインマンスーツを作っている時みたいで、スーツづくりを見ていたハッピーもピーターの姿をトニーに重ね合わせているシーンは感慨深いものを感じましたし「ああ、鉄の意志が受け継がれた瞬間だ」って感じ、私個人として最も好きなシーンでもありました。
終わり方も「ミステリオやってくれたな」って感じのかなり面白いもので今後の『スパイダーマン』シリーズやあるかどうかはわかりませんが『アベンジャーズ』シリーズが楽しみになる終わり方でした。
アイアンマンの意思を引き継いだスパイダーマンの今後の活躍に期待させてくれる本作はMCUシリーズのフェイズ3の〆にピッタリの作品でした。
コメント