毎年4月の中旬くらいに『名探偵コナン』と同じくらいのタイミングで上映される映画『クレヨンしんちゃん』。コナンと比べて固定ファンが少なかったり、子供向けという印象からあまり注目はされませんが結構大人でも楽しめる名作が生まれていることはあまり知られていません。
映画クレヨンしんちゃんの過去作が配信されている動画配信サービスを紹介した記事も書きましたのでよろしければお読みください。私のおすすめは『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国』『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大戦』『ガチンコ!逆襲ロボとーちゃん』の3作品です。
そして今年も新たな映画『クレヨンしんちゃん』が公開され鑑賞してきましたので紹介します。
作品データ
公開日:4月19日
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:100分
主演:小林由美子
監督:橋本昌和
公式サイト:http://www.shinchan-movie.com/
おすすめ度
★★★★★★★★★☆(9/10)
大人にこそ観てもらいたい作品。
では詳しく見ていきましょう。
あらすじ
公式サイトより
オーストラリアの秘境”グレートババァブリーフ島”で今更はじめての新婚旅行を満喫中の野原一家。
その夜突然ひろしが消えた。
探しに出かけたしんのすけたちが見たものは、仮面族野村で行われていたド派手な結婚式に参列する花婿姿のひろし!
その島には、50年に一度、皆既日食の日にお姫様に花婿を差し出すことでご褒美としてお宝が得られるという伝説があった。
仮面族VS世界中のトレジャーハンターVS野原一家の超熾烈な三つ巴のひろし争奪戦がぼっ発!!
果たして、しんのすけたちは、ひろしを奪還し、無事に春日部に帰ることができるのか!?
感想(ネタバレ)
しんちゃんの声優交代後初の映画
番組開始からしんちゃんの声優を行っていた矢島晶子さんから小林由美子さんに去年声優が変更されたことをニュースで見たので知っていたのですが本作で初めて小林由美子さんのしんちゃんを聞きました。
というのも私自身映画のしんちゃんは基本毎年観るのですが週末夜のテレビ放送はあまり見ないからなんですね。
声優変更のことは全く覚えていない状況で本作を鑑賞しに行ったんですが最初は声優が変わったことを思い出させないくらいしんちゃんに違和感がありませんでした。
ドラえもんの声優変更された時にはいろいろとディスられたりしていましたけど今回の声優変更でそういった声が挙げられていないのにも納得がいきました。まあドラえもんのときは一斉に声優が変更されたことも大きかったのかもしれませんが。
とりあえず新しいしんちゃんの声を聞き慣れていない人でもほとんど違和感なく楽しむことができる作品であるのは間違いないでしょう。
やはりコメディも忘れない、大人でも笑える
やっぱりしんちゃんといえば野原一家によるコントなどから起こる笑いですよね。本作でも相変わらずでした。
しんのすけとひろしがキレイなおねえさんたちに鼻の下を伸ばしているのに対してみさえがお仕置きしたり、しんのすけのボケに対するみさえのノリツッコミ、みさえがいろいろメルヘンな妄想をしてそれをしんのすけやひろしが冷ややかな目でみていたりするお決まりのものから、しんのすけたちがひろしを救うために潜入した仮面族の村に仕掛けられているトラップをしんのすけがわざと引っかかってみさえたちを困らせたりするなど本作ならではの笑いもありました。
そして本作のオリジナルキャラクターでしんのすけたちと行動をともにするインディ・ジュンコというキャラクター。映画のタイトルやこのオリジナルキャラクターをみても『インディー・ジョーンズ』のパクリ感丸出しな本作ですがこのキャラがトレジャーハンターなのに不運と言う面白いキャラクター設定にも笑わせてもらいました。
子供向けとは侮ることのできない笑いのクオリティで大人の方でもかなり笑えるものとなっています。
大人にこそ見てもらいたい
そしてなにより本作は大人の方が感動できるストーリーになっています。
お姫様の花婿とされるためにさらわれたひろしを救うために野原一家は危険を承知で仮面族の村に潜入することになるんですがそこでのみさえの凄さというものを感じました。
ひまわりを抱え、さらに食料や水、スマホの充電器が入ったバックを一人で背負い走り、運転し、崖を登り、罠をかいくぐるなどといろいろな危険に経験しようやくひろしのもとに到着して一緒に帰ろうとひろしに言うとひろしは姫と結婚するためにここに残るから自身をおいて春日部へ帰れと言われ、追い返されてしまい、更にその後仮面族によって穴の中に落とされてしまいます。
一瞬立ち直れなさそうになるみさえですがひろしが本心で帰れというわけがないと分かっているみさえはしんのすけとひまわりに耳をふさがせ何も聞こえないようにさせてひろしにたいして愛するがゆえに出た暴言を吐きます。
そしてもう一度夫そして父であるひろしを救うために立ち上がりボロボロになった服からキレイなウェディングドレスに着替えて救出に向かいます。
ひろし救出しようとする野原一家の前についにお姫様が登場します。
なんとお姫様の正体は巨大なコアラ。鼻の良いコアラが刺激を求めて足の臭い人間を花婿として迎え入れていたんです。
そんな衝撃的な展開のさなかひろしを渡したくないコアラはみさえの前に立ちふさがります。
そんな中しんのすけは縛られて動けないひろしのもとまで行き縄をほどき春日部に帰って一緒に宝探しをしようと言います。その言葉を聞いてひろしはしんのすけに
「お宝っていうのは人生をかけて夢中になれるもの。大人になるまでにゆっくり見つけろ。俺はとっくに見つけてるぜ。」
と言いコアラと戦っているみさえのもとまで行きます。姫の婿となるためタキシードに着替えさせられていたひろしとウェディングドレス姿になっていたみさえのふたりはコアラを無視した二人の世界に完全に入り込みキスをします。
その光景を見たコアラは暴れだしますがしんのすけが先程ひろしに言われたことをコアラに伝えるとコアラは海へ飛び込みどこか遠い場所までバタフライで泳いでいってしまい一件落着です。
そして野花を1つ取りひろしはみさえに対して「これからも俺と結婚してくだい」とプロポーズします。
本作でみさえの妻そして母としての凄さを改めて知りましたし、本作で新たに生まれたひろしの名言2つには同じ男としてかなりかっこよさを感じました。
所詮アニメとか言われたらそれまでかもしれませんが本作は夫婦、家族の愛というものをテーマにした作品なので大人にこそ観てもらいたい作品です。
コメント