3月29日公開
『バットマン』シリーズ、『チャーリーとチョコレート工場』、『アリス・イン・ワンダーランド』のティム・バートン監督がディズニーの人気アニメを実写化。主演はゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞を獲得したこともあるコリン・ファレル。
作品データ
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
上映時間:112分
主演:コリン・ファレル
監督:ティム・バートン
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/dumbo.html
おすすめ度
★★★★★★★☆☆☆(7/10)
ダークさが少なめのバートン作品。
では詳しく見ていきましょう。
あらすじ
サーカスに他よりも耳の長い象のダンボが生まれた。そのせいでサーカスでは観客から笑いものにされてしまった。ダンボの世話係のホルトの子供であるミリーとジョーは悲しんでいるダンボを元気にしようと遊んでいるとダンボが空を飛べることを発見する。空を飛ぶ象の噂はたちまち広がることになる。ダンボを金儲けに利用しようとする人間によってダンボは母親ジャンボと引き離されてしまう。そんなダンボの姿を見たホルトたちは母親と再会できるようにある作戦を実行する。
感想(ネタバレ)
変わりつつあるティム・バートン
ダークファンタジーで有名なティム・バートン。
そんな彼の創る作品の登場人物にはコンプレックスを抱いたキャラクターが登場します。『チャーリーとチョコレート工場』の”チャーリー”だったり『アリス・イン・ワンダーランド』の”マッドハッター”などがそれにあたります。
彼自身人付き合いが苦手で奇行を繰り返す問題児で幼い頃から孤独を経験をしていたのは有名は話です。そんな彼自身を彼の作り出す作品のキャラクターたちに映し出しているのでしょうね。
そうした登場人物の特徴などもあって彼の作り出す作品は世界観が暗くなり、そういったところも評価されるようになりダークファンタジーで有名な監督になりました。
そして今作の主人公であるダンボも生まれつき大きな耳を持つというコンプレックスを抱えるというキャラクターです。
しかし作中でダンボの母親であるジャンボやダンボを心配するミリーとジョーなどとの関わりでダンボ自身もコンプレックスを克服します。
そのため他のティム・バートンの作品に登場するキャラクターのように闇落ちすることがなく、他バートン作品と比べてもダークな印象を受けるシーンは全然ありませんでした。(あるとしたら暖暮を利用して金儲けをしようとする人間の腹黒さくらいですかね)
今回『ダンボ』を鑑賞して、今までよりもダークな部分が減っていてティム・バートン自身もなにかコンプレックスを克服したのではと勝手に妄想してしまいました。
CG、演出がすばらしい
正直言ってディズニーの動物系の映画を実写することは反対でした。
去年上映された『プーと大人になった僕』ではプーたち動物を表現するのに汚いぬいぐるみで表現されていてディズニーも血迷ったことをするんだなって感想を持ったことを思い出します。(まあ本物のくまを出されても困るんですが。。)
しかし今作でダンボなど動物を表現するのに使われているCGがこれまた素晴らしいのです。
かわいらしいくりっとした青い目と長い耳じゃなかったらこれはCGだとわからない方がほとんどではないくらいリアルです。
さらに作中にショーの前にシャボン玉でたくさんの象が作られる演出があるんですがこれまた素晴らしい。こちらもCGが使われていたと思おうんですが幻想的で美しい演出でスクリーンから目が離せませんでした。(原作でもシャボン玉で多くの象を描く描写があるんですがこうした原作をリスペクトする演出にも交換が持てました)
本当にこの作品はCGと演出がすごいと思いました。
オリジナルストーリーだがなかなかいける
今作は原作であるアニメ版のダンボと比べてもオリジナルストーリーと言える作品でしたが普通に原作よりも好きでした。
原作では長い耳というコンプレックスを持つダンボが落ち込んでいるところにネズミのティモシーやカラスたちがやってきて共ににそのコンプレックスから生じる孤独を克服するというダンボと友人たちの友情を描いた作品でした。
しかし今作では友情という部分もありましたがどちらかと言うと親子の愛がメインのテーマでした。ダンボとジャンボの象の親子の愛。父であるホルトと彼の子であるミリーとジョーの人間の親子の愛。この2つの親子の愛が今作のメインテーマです。
子供であるダンボを守るために人に危害を加えてしまったがゆえに離れ離れになってしまった母親のジャンボとジャンボと再会するためにサーカスでショーを頑張るダンボ。そんなダンボのがんばる姿に心を打たれました。
それと妻の死や仕事での忙しさから子供であるミリーとジョーと上手く接すつことができなくなってしまったホルトであったがダンボとの出会いで生じた子どもたちの成長やエヴァ・グリーン演じるコレット・マーチャントとの出会いで再び仲の良い家族に戻るというストーリーは好感が持てます。
この2つの親子の愛というテーマは原作では無いオリジナルストーリーではありますが美しいものです。
鑑賞前に期待していたよりも良い作品だったので観に行ってよかったなと思いました。
本日はここまでです。
また会いましょう。
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