ブラック・クランズマン 感想(ネタバレ) スパイク・リーらしさ全開

★★★★★★★★☆☆

3月22日公開

第91回アカデミー賞6部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した話題作がいよいよ日本上陸。監督はマルコムXをはじめ黒人を主演とした映画を多く手がけるスパイク・リー。主演は今作が初主演映画でゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされたジョン・デビット・ワシントン。

作品データ

製作国:アメリカ

配給:パルコ

上映時間:135分

主演:ロン・ストールワース役→ジョン・デビット・ワシントン

監督:スパイク・リー

公式サイト:https://bkm-movie.jp/

おすすめ度

★★★★★★★★☆☆(8/10)

暗い話題の映画を面白おかしく見れる映画でした。

では詳しく見ていきましょう。

あらすじ

『ブラック・クランズマン』本予告・第91回アカデミー賞®︎ 脚色賞受賞!

新人警官のロン・ストールワース書類管理担当の記録室に配属され、日々白人からの差別を受けることに。そんな生活に嫌気が差し署長に部署変更を申し入れると変更が受け入れられ潜入捜査官となる。警察署内で新聞を広げるとある広告が彼の目に入る。それは白人至上主義を掲げる組織クー・クラックス・クラン(KKK)の文字と電話番号。ロンはすぐにその電話番号に電話をかける。電話相手のKKKメンバーであるウォーターに自分がいかに黒人を嫌っているかを口汚く言い、彼に気に入られ会う約束をする。黒人のロンがそのままKKKに潜入することはできないのでもうひとりの白人であるロンを用意することに。本物のロンが電話を担当しもうひとりのロンとしてKKKに潜入することということを提案し受け入れられる。そしてもうひとりのロンとなるのが白人警官のフィリップ・ジーマン。フィリップは組織に潜入しメンバーたちと信仰を深めるがメンバーの一人フェリックスがロンになりきっているフィリップがユダヤ人でないかと疑いはじめる。そんな中、本物のロンはKKKの集会などに参加するためにも会員証が必要だと思い、もう一度KKKに電話をかけると今度はKKKの最高幹部デビット・デュークに繋がった。彼に対しても黒人を罵った発言をすると彼にも気に入られ最高幹部彼とも会う約束を取り付けることに成功する。。

感想(ネタバレ)

タイトルの意味


最近映画レビューではタイトルの意味を紹介していたので今回もタイトルの意味を最初に紹介しよう思います。

今作のタイトルである『ブラック・クランズマン』をアルファベットに戻すとこうなります。

BLACKとKLANとMANの3つの単語からできています。ではこれらの意味がどうなるかと言うと

BLACK→黒、黒色の、黒人

KLAN→米国南部の白人の秘密結社=クー・クラックス・クラン(KKK)

MAN→男

これを合わせると「KKKの黒人男」といって意味になります。

つまりは本作の主人公であるロン・ストールワースを指す言葉なんです。

さらにおまけですが本作品の原題は次のようになっています。

BLACK K KLANSMAN

おわかりいただいた方もいるかと思いますがBLACKとKLANSMANの間に必要のないアルファベットの「K」があるんです。

おそらくこれはBLACKの「K」とKLANSMANの「K」が連続しているためこの2つの単語の間に入れるはずだった中点の代わりに「K」を入れることによってKが3つ並び「KKK」つまりクー・クラックス・クランとなるようにスパイク・リーが洒落た感じでつけたものなんでしょう。

さすがのスパイク・リー


スパイク・リーといえば彼の大ヒット作『マルコムX』を筆頭に黒人を主演にし、反人種差別をテーマとした作品を数多く世に送り出してきた。今作もそういうテーマから外れない作品となっておりスパイク・リーが反人種差別に尽力しているということがよく分かる作品になっています。

私がこの作品ですごいなと感じたのが人種差別という重たい問題をテーマにしているにもかかわらず映画を通して笑いが起こり、観客達が終始重たい空気に包まれるのを防いでいます。

ロンが警察署でKKKの最高幹部であるデュークと度々電話で話すシーンがあります。本当は黒人であるが白人になりきっているロンと黒人と白人は話し方が違うから絶対に見破れると豪語するにもかかわらず、ロンが完全に白人で熱狂的な白人至上主義者であると信じているデュークとの電話のシーンは滑稽でかなり笑えました。

そして最後のロンとデュークの電話でロンがデュークに対して自分が本当は白人ではなくて黒人であると告白する気シーンはドッキリ番組のネタバラシを彷彿させ、とても爽快で私の観てきた映画史上好きなシーンベスト5くらいに入るくらい好きなシーンでした。

こうした黒人が白人を馬鹿にするという構図は未だにアメリカに残る人種差別のことを考えると今後スパイク・リー自身に危険が及ぶかもしれないのにもかかわらず取り入れているのはさすがのスパイク・リーだと思いますし、尊敬できる人間だなと思います。

それでも無くならない人種差別


今作を通じてスパイク・リーの最も伝えたかったことは今も昔も変わらず差別は続けられているということなんだと思います。

KKKの最高幹部であるデュークが作中でよく言っていた”アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)”という言葉がある。(気をつけてほしいのがここで彼が言うアメリカとは白人だけのアメリカという意味)

この言葉を最近聞いた覚えがある方もいるのではないだろうか。

そう現在アメリカの大統領であるドナルド・トランプが言っていた言葉である。彼は白人至上主義者団体のKKKの幹部であるデュークと同じ言葉を使っていたのです。

まさにかつて政界進出し、アメリカを白人の国にしよとしていたKKKの亡霊が乗り移ったかのような人間が現在のアメリカ大統領なのです。現に彼は白人が白人至上主義に反対するデモに参加していた黒人に車で突っ込み轢き殺した事件では双方が悪いと発言し白人をかばっていたのです。

スパイク・リーはこうした黒人差別が現在も続いており、悲しいことにアメリカ大統領が白人至上主義の一人であるということを過去の話を用いて伝えたかったのではないでしょうか。

画像:(C)2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL RIGHTS RESERVED.

コメント

タイトルとURLをコピーしました