THE GUILTY ギルティ

★★★★★★★★☆☆

2019年2月22日(金)公開

アメリカの映画祭の一つ、サンダンス映画祭観客賞を受賞し、世界中の映画祭で賞を獲得し世界中を熱狂させる話題作が日本上陸。監督・脚本はノルウェー国際映画祭でネクスト・ジェネレーション賞を獲得し、将来を期待されるグスタフ・モーラー。主人公のアスガー・ホルム役を演じるのは様々な男優賞を獲得しているヤコブ・セーダーグレン。

作品データ

製作国:デンマーク

配給:ファントム・フィルム

上映時間:88分

公式サイト:https://guilty-movie.jp/

おすすめ度

★★★★★★★★☆☆(8/10)

主人公アスガーとともに事件解決を楽しめる映画です

では詳しく見ていきましょう

あらすじ

ある事件をきっかけに警察官から緊急通報指令室のオペレーターとして働くことになったアスガー・ホルムは毎日やりがいを感じること無く働いていた。しかしある日、アスガーは誘拐されているという女性から通報を受ける。事件を解決するためにアスガーが使える手段は電話のみ。かすかな手がかりのみでアスガーは事件を解決できるのか。そして彼に隠された過去とは。。

感想(かなりのネタバレですのでご注意ください)

極限まで無駄を減らした演出

私が今思い出せる限りこの作品以上に無駄のない作品はないです。

この作品はサスペンス映画ですが事件を解決するために用いられるのは電話から発せられる音のみ。

さらにスクリーンに映る人物は上映時間の約90分を通じて15人以下。声だけの出演を合わせても20人以下。


(C)2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

そして映し出される場所もアスガーの職場である緊急通報司令室とその部屋にガラス張りで隣接する予備の部屋、そして司令室を出てすぐの通路。


(C)2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

こんな無駄のない演出の映画なかなか観ることができません。

しかも内容もスッキリ完結します。

ここまで無駄を省けるものかと感動しました。

2つの部屋と最後の廊下はアスガーの人生の暗示

先程も述べましたがこの作品はメインの司令室サブの司令室の2つの部屋の中で話が進み、最後に司令室の外の廊下に移り話は終わります。

私はこの演出はアスガーの人生を暗示するものだと考えました。

まず物語序盤はメインの司令室で物語は進みます。

アスガーは警察時代に問題を起こし、左遷されたような形で緊急通報司令室のオペレーターとして働いていました。しかし、現場でバリバリ働いていたアスガーは他のオペレーターたちとは反りが合わず仲良くできません。さらに仕事内容も交通事故による緊急搬送など些細なことばかりで退屈に感じていました。

しかし、ある日、男に誘拐せれているというイーベンからの電話が来る。彼女を救ってあげたいと考えるアスガーはまず電話での情報から彼女は白いワゴンに乗せられており、高速道路を走っているということを断定する。電話基地局の範囲から彼女のだいたいの位置を特定し、通信指令室につなぎ、警察をその場所まで向かわせる。しかし、彼女を乗せた車の発見には至らなかった。

そのためより多くの情報を得るためイーベンの携帯番号から自宅番号を割り出し家に電話をかけた。すると電話にはイーベンのまだ幼い子供のマチルドがでた。マチルドによるとイーベンは元父のミケルと喧嘩をし、マチルドと弟のオリバーをおいて連れて行かれたようであった。そんな状況に置かれたマチルドたちを保護するためにアスガーは警察を自宅に向かわせる。

なかなかイーベンを見つけ出せない警察に見つけるためにいろいろ意見するアスガーだが、意見をちゃんと聞いてもらえない。

そこでなんとしてでイーベンを救いたいと考えるアスガーは独断専行に出る。そのためにまず他の同僚たちに邪魔されないようにメインの緊急通報司令室から誰も使っていない予備の部屋に移動する

そこでかつての上司に事件解決の糸口を捜すためミケルの家に家宅捜索するようにを依頼するが自分たちの管轄外だと断られる。そのため警察時代に行動を共にしていた相棒であるラシッドに電話をして個人的にミケルの自宅を捜索させる。

そしてラシッドとの電話からアスガーの情報も徐々に明らかになる。

アスガーは翌日、警察時代に仕事中に人を射殺してしまったことが原因で法廷に立たされるようなのである。

するとマチルドたちを保護に行った警察からあらたな情報が入る。なんとマチルドの弟のオリバーがズタズタに刃物で裂かれ殺されていたのである。

ミケルを犯人だと疑うアスガーはイーベンを救うためにイーベンにミケルに対して攻撃するように電話で指示を出す。

そんな指示を出すさなかイーベンの口から衝撃的な事実が語られる。

なんとオリバーを殺していたのはミケルではなくイーベンであったのだ。さらに彼女は精神的な異状を持っており、自身がオリバーを殺したことを理解できていなかったのだ。

ミケルはそんなイーベンを精神病院に連れていく最中なのであったのにも関わらず、オリバーを殺したことを理解できていないイーベンは理由もなくミケルに殺されると勘違いしていたのだ。

そのことを知り、彼女にミケルに対する攻撃をやめるように説得しようとするも彼女の乗せた車は止まり、ミケルが彼女の前に姿を表したところで彼女との電話が切れてしまった。

自分の勘違い、ミスで間接的であったとしてもまた人を一人殺してしまったと思ったアスガーは激昂。部屋の備品に怒りをぶつけた。

そして冷静になり現状確認のためにイーベンに連絡をとろうとしてつながらなかったがミケルと連絡を取ることに成功する。ミケルはイーベンにレンガで殴られ怪我を負ったが命に別状なし。しかしイーベンはどこかに姿を消してしまったという。

失意のどん底に落とされ、ただ呆然と座ることしかできなかったアスガーであったが自身の携帯に一本の電話がかかってきた。

それは相棒のラシッドからの電話であった。アスガーの手伝いをしていたラシッドはミケルの自宅捜索でもうやれることはないと判断して電話をかけたのだがそこでアスガーはラシッドにあることを伝える。

それは翌日の法廷で嘘偽り無く事実を話すということ。

そのことを伝えたアスガーはラシッドに感謝の念を伝え電話を切る。

再び呆然といているとアスガーのいる予備の部屋に同僚の一人がが入ってきてアスガーにイーベンから電話が来ていると伝えに来る。

電話にでるために予備の部屋からメインの緊急通報司令室に移りイーベンと通話する。

イーベンはオリバーを殺してしまったことを理解し、自らも自殺しようとし、最後に懺悔としてアスガーに電話したのであった。

そんな彼女を止めるためにアスガーは過去の射殺の真実を告白

アスガーは警察時代に軽い罪を犯した19歳の青年を意味もなく殺してしまった。しかも自分を守るために正当防衛と偽り、罪から逃れようとしていたのであった。

その告白によりイーベンの自殺を食い止めることに成功した。

一人の命を救うことのできたアスガーは作中ではじめて緊急通報司令室から外の廊下に出るのであった。

ここで話は終わります。

この作品を通じて私が感じたのは初めにも言いましたがアスガーの人生の暗示だと言うことです。

①はじめの緊急通報司令室はアスガーの警察時代の暗示

②次の予備の部屋はアスガーが青年を射殺したため入るはずだった刑務所の暗示

③そして二回目のメインの緊急通報司令室はアスガーの立つ法廷の暗示

④最後の廊下はアスガーの新しい人生の暗示

私はこういうふうに思いました。

警察時代はいろいろうまく行かず独断専行をして人を殺してしまい、たったひとり刑務所に入れられてしまう。そんな彼だが裁判でしっかりと自分の罪を認め、償うことによってまた新たな人生が始まるというふうにならなければいけないという暗示しているのではないかと思いました。

皆さんはどう思いますか。

タイトルの意味とは

タイトルのギルティとは日本語にすると罪。

主人公のアスガーが自分の罪を認めるという意味でつけられたタイトルなのではないでしょうか。

キャスト

アスガー・ホルム:ヤコブ・セーダーグレン

イーベン:イェシカ・ディナウエ ラシッド:オーマイル・シャガウィー ミケル:ヨハン・オルセン

スタッフ

監督・脚本:グスタフ・モーラー

ポスター画像  (C)2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

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